『最高の体調』を手に入れる【前編】

皆さん、最近体調はいいですか?

朝目が覚めると、視界はクリアで脳も体もとても軽い。

常にポジティブな思考で、「なんでも出来そう」と謎の自信に満ち溢れている。

集中力も高く、気づいたら今日やるべきタスクは終わっている。時計を見るのも忘れていた。

僕の思う「最高の体調」とはこんなイメージです。

残念ながら現状は最高の体調はおろか、最低の体調であることが多いです。

目覚めは悪いし、なんか体が重い。

ネガティブな思考が頭に湧き出て、謎の不安が常につきまとっている。

やるべきことがあるのに、気が散って集中できない。

なぜ真逆の体調になってしまったのか。

分かっているんです。自分でも。

ジャンクフード、アルコール、運動習慣、スマホ、ストレス、睡眠等。

ありすぎるんですよ。原因が。

だから何から手をつけていいか分からないし、具体的な解決策も立てられない。

マジでワンピース見つけるより大変ですよ。

今回『最高の体調』という本を読んで、この混沌とした健康時代に一つの指標ができました。

皆さんに最高の体調を得る為のエターナルポースを共有できればと思います。

文明病と進化医学

結論を言います。

不調が続くのは「文明病」の影響です。

文明病とは時代の変化によって引き起こされる、現代特有の病気や症状を意味します。

現在の人類の基礎が形成されたのは今から680から700万年前。

最初は狩猟民族として、他の動物と同じく狩りをして腹を満たし、子孫を繁栄させてきました。

そして1から2万年前にようやく農業を始め、

他の動物とは一線を引いた社会的な動物に進化しました。

つまり圧倒的に狩猟民族としての生活が長いのです。

故に元来、人間は自然の中で狩りをし、太陽のあるうちに行動し、少数のコミュニティで仲間と過ごす。

その環境下でこそ最高のパフォーマンスを発揮するよう設計されているのです。

ところが現在我々の生活を振り返ってみると、

コンクリートジャングルで生活をし、時には昼夜逆転し、毎日様々な人とコミュニケーションを取る。

このような本来の人間の素質と現代の環境との間で起こるミスマッチが、

私たちの不調の大きな原因になっているのです。

このミスマッチを正しく修正し、健康を取り戻すメソッドが進化医学です。

炎症

ここからは文明病が引き起こす最も重大な影響の一つ、「炎症」について説明します。

炎症とは細胞レベルで起きる火事のようなもので、体が何らかのダメージを受けた時に生じます。

自転車で転んで怪我をした時を思い出して下さい。

傷はジュクジュクと液体が染み出し、赤く腫れ上がりますよね。

あれが炎症です。

炎症は体の内部でも起こります。

風邪が代表的な例で、風邪のウイルスと免疫システムが戦い、炎症が発生。

結果として発熱や咳、鼻水などの症状が発現する。

他にも筋肉痛や花粉症、関節痛とか、

全ての不調はすなわち炎症と言い換えることができます。

しかしこれらの事例は、あくまで一過性で次第に治ります。

問題のなのは文明病が引き起こす持続的な炎症です。

こいつはタチが悪く、火事とまでは行かなくともトロ火でじっくりと体を焼きます。

トロ火ゆえに気づきにくく、じわじわと体が蝕まれていきます。

内臓脂肪について話ましょう。

内臓脂肪は体にとって異物である為、免疫システムが作動します。

そのプロセスで炎症性物質が発生し、臓器に炎症を引き起こします。

ご承知の通り、内臓脂肪は運動やカロリー制限でしか減らないので、

免疫システムが作動したところで意味はなく、炎症で私たちの血管や細胞は燃され続け、

動脈硬化や脳梗塞の引き金になります。

これがメタボリックシンドロームの発症のメカニズムです。

狩猟民族時代、カロリーはとても重要なものでした。

当時はカロリーの確保ができない=死ですからね。

故に人間のカロリーに対する執着はDNAレベルで凄まじいものなんです。

しかし現代はカロリーの確保なんて容易です。むしろ安価なものほどカロリーが高いですからね。

細胞レベルで刻まれたカロリーの執着と、現代のカロリーが簡単に手に入ってしまう環境。

このミスマッチはまさに文明病と言えます。

不安

文明病が引き起こす重大な影響、二つ目は「不安」です。

不安て嫌ですよね、僕も明日から新しい仕事に就くので不安でしかないです。

不安も現代と古代では、その性質が全く異なります。

現代は不安の種がたくさんあります。

「今の仕事続けていいのかな」「俺って結婚できるのかな」「こんな人生のはずじゃなかった」とか。

生き方の多様性が認められているが故の弊害ですかね。

このぼんやりとした不安は明日明後日で解決するものではないし、

何なら死ぬまでに解決できるかすらも分からないので、

24時間365日、不安は私たちの脳裏にこびりついていることになります。

炎症同様、現代は持続性の不安に悩まされているのです。

対して古代の不安は突発性。

突如猛獣に出くわし、戦うか逃げるか。嵐が来た、今の住居を捨てるべきか、壊れないよう守るか。

不安がいきなり現れすぐ解決への選択を迫られるイメージです。

それ以外は常にルーティンの繰り返し。

同じメンツで狩りをし、道具や住居を作り、生殖活動をし、子が生まれれば成長を死ぬまで見届ける。

これ以上でもこれ以下でもなく、皆が同じルートをたどりその生涯を終えました。

同じなのでそこに不安は無く、目の前の事象だけに意識を向けていたのだと思います。

狩猟民族が「俺このままの人生でいいのかな、一発どデケェ花火打ち上げてぇな」と思っていたとは考えづらいですよね。

(その時代に花火はないです)

まぁ結果的にそんな考えを持つような外れ値の人間が、

農業を発明し人類の歴史を一歩進めたのは事実なんですが、

それでも人間の長い歴史で農業が始まったのが1から2万年前ということを考えると、

やはり持続的なぼんやりした不安は本来の人間の姿と現代の環境のミスマッチであることが伺えます。

ではこのミスマッチで私たちの体にはどのような影響があるのでしょうか。

最古の不安は突発性というお話をしましたが、言わば非常ベルなのです。

「茂みが動いたぞ、何かが潜んでいるのか」「この草見たことないぞ、食べられるのか」

これらは死に直結するので、この非常ベルが鳴り次第、

人は生き残る為に意識を集中させて、問題を解決しようとしますよね。

生き残ることができたら、その不安は消滅します。

しかし現代は、不透明であるものの不安が持続的に存在している為、

常に非常ベルが鳴り続けている状態。

実際に四六時中非常ベルが鳴り響く部屋に閉じ込められたら、精神崩壊しますよね。

でも残念ながら私たちの体の中では常に鳴ってるんです。

そんな状態で健康であるはずがない。

この本には、「記憶力の低下」「理性的な判断が出来なくなる」「死期を早める」「不安が更なる不安を呼ぶ」

と4つの不安がもたらす悪影響が書いてありました。

いずれも致命的な影響ではありますが、

それが何となーくのぼんやりした不安から引き起こされていると思うと、

楽観視はできないなという感じです。

以上で前編は終了です。

今回は時代のミスマッチから生じる文明病の話と、

文明病による重大な影響、「炎症」と「不安」の話をしました。

来週は文明病を解決する為のアクションプランを、

進化医学の観点でお話しできればと思います。

それではまた来週。

ボンボヤージュ!!!

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